‘経済・投資 Money’ カテゴリ

「イールドコントロール」下の資金運用…(SAJ2017年3月号)

2017-03-25
「イールドコントロール」下の資金運用とマクロ的金融システム(SAJ2017年3月号)著者は元日本銀行預金保険機構財務部長、現大妻女子短期大学教授の玉木伸介氏。2016年9月の日銀による「総括的検証」のポイントと金融政策が企図するところを整理した上で、「情報生産」に裏付けられた金融機関、機関投資家の資金運用の重要性を指摘した論考。そのポイントをまとめ(正確、詳細には同論文を直接参照のこと)、次に私見を簡単に述べたい。「情報生産」に裏付けられた金融仲介の重要性運用難「潜在成長率や自然利子率(注1)が十分に高ければ、それに応じた実質長期金利が長期的に成立するだろうから、高いリターンを挙げることは容易である・・・しかし、現在の日本のように潜在成長率や自然利子率が低迷するばかりでなく、市場金利が政策によって自然利子率以下に「抑圧」される場合には、十分なリターンは容易に獲得できない。」(注1)「自然利...
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マイナス金利下の邦銀経営の課題(SAJ2017年3月号)と銀行株

2017-03-21
「マイナス金利下の邦銀経営の課題」(証券アナリストジャーナル2017年3月号)は、クレジット分析からの邦銀経営の課題について論じたもの。著者は、民間大手格付け機関S&Pグローバル・レーティングの金融法人及び公的部門格付け部主席アナリストの吉澤亮二氏。マイナス金利下における国際間の金融機関をクレジット(信用力)の視点から分析したもので極めて参考になる論考である。但し、さらなる検証が必要と思われる点もあるということを冒頭に述べておこう。なお、吉澤氏の論考について、正確、詳細にはのSAJ掲載論文を直接参照いただきたい。 思惑がはずれた日銀のマイナス金利政策(NIRP)吉澤氏はまず冒頭で、銀行の信用力はマクロ的経済動向に大きな影響を受けるとし、日銀のマイナス金利政策(NIRP: Negative Interest Rate Policy)のマクロ経済への効果を主要な経済指標により検証する。...
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広告から見る2017年の世界見通し- WPP Webcast(17/3/3)より

2017-03-13
世界最大の広告コミュニケーション企業であるWPPの2016年決算コンフェレンスが3月3日にロンドンで開催された。コンフェレンスの模様はビデオ(Video Webcast)で見ることできる。2017年の広告市場動向だけでなく、デジタル化の動向、地域別の経済動向、世界経済の動向についても非常に参考になる。市場予測のスペシャリストGroupM2016年決算は、CFOのポール・リチャードソン(Paul Richardon)が説明したが、その後で、極めてWPPらしい、というかマーティン・ソレルらしいのは、市場予測のスペシャリスト、グループM(GroupM)のアダム・スミス(Adam Smith, Futures Director)が、2016-17年の見通しを説明するセッションを設けていることだ。その内容について注目すべき点、印象に残った点は以下の通りである。2016年の姿1.  2016年のWPP...
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ダウンサイド・リスクを利用する(JAI 2017年冬号より)

2017-02-19
 “Embracing Downside Risk” (by RONI ISRAELOV, LARS N. NIELSEN, AND DANIEL VILLALON, AQR Capital Management in Greenwich, CT, ‘THE JOURNAL OF ALTERNATIVE INVESTMENTS - WINTER 2017’) ダウンサイド・リスクが提供する投資アイデアオルタナティブ・インベストメント・ジャーナル誌2017年冬号に、「ダウンサイド・リスクを利用する」(“Embracing Downside Risk”)と題する興味深い実証研究が掲載されている。株式、債券、信用、商品等様々な資産を研究対象としているが、基本的に同じ結論に達している。その中心になるのがS&P500についての実証である(正確、詳細には直接同論文参照のこと)。3つの...
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ボラティリティ・ウェイティング戦略について(JAI冬号より)

2017-02-07
「ボラティリティ・ウェイティングのモーメンタム戦略への適用について」(JAI冬号) "Volatility Weighting Applied to Momentum Strategies" (Johan Du Plessis, a quantitative analyst at Old Mutual Emerging Markets in Captetown, South Africa; Winfried G. Hallerbach, a quantitative investment researcher at Robeco Asset Management in Rotterdam, The Netherlands; "The Journal of Alternative Investments, Winter 2017") 著者は、オールド・ミューチュアルとロべコ・アセッ...
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英国フィンテック企業とのラウンドテーブル@駐日英国大使館

2017-01-24
英国フィンテック企業とのラウンドテーブル駐日英国大使館で、英国フィンテック企業とのラウンドテーブルがあった。2017年1月19日、主催は、英国政府国際通商部、駐日英国大使館主催、協力はAIMA(Alternative Investment Mangagement Association: オルタナティブ・インベストメント・マネジメント・アソシエイション)。フィンテック(FinTech)はFinanceとTechnologyを合成した造語であり、金融とテクノロジーが関わるあらゆる分野のサービスやアプリケーションを意味する。近年の金融資本市場は、まさにグローバル化とテクノロジーの進化により、敏感に、神経質に全世界での事象や情報に反応し、リスクのオンとオフが目まぐるしく入れ替わるようになってきていると感じる。フィンテックはまさにそのような市場環境の原因の一つであると同時に、適応のために必須になっ...
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日本銀行のETF買入の現状と課題(SAJ誌JAN.2017より)

2017-01-12
「日本銀行のETF買入の現状と課題」(今井幸英氏CMA、日興アセットマネジメント㈱ETFセンター長、ETF開発部長、証券アナリストジャーナルJAN.2017)日銀のETF買付に関して、(1)株価形成の歪み、悪影響がでているのではないか、(2)議決権行使、ガバナンス上の問題があるのではないか、という懸念に対して、検討したもの。結論は、「検証する限りは問題となるようなところが見られない・・・ただし、今後の日本銀行のETF買付が進む中で、継続的なモニタリングが必要であろう」というものである。 以前にも述べたが、「株価形成の歪み」というのは実は検証が難しい。何をもって「歪み」とするか、に関わってくる。効率的市場仮説に立てば、株価が人為的に買い上げられたら、合理的な経済主体は売り向かう、ショートするであろう。裁定取引の機会が存在することになる。但し、この場合は、完全競争が前提になる。日銀のような巨大...
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投資セミナー(2-5) 銀行株に関する一考察

2017-01-04
ボラティリティ、金利、バリュエーション、グローバル・エクスポージャー、エクストリーム・イベント(極端な事象)・・・クロスセクターで見る銀行株*添付資料:クロスセクター・バリュエーション・テーブル&グラフ銀行セクターは最もボラティリティ(変動/リスク)の高いセクターのひとつ金利敏感(金利低下にネガティブに反応)まずまずのROE水準(クロスセクター比較と国債利回りとのスプレッドの観点)相対的に高い配当利回り:大手3社平均3.14% cf. 東証1部(加重)平均1.98%相対的に割安なPER: 大手3社平均9.6倍 cf. 東証1部(加重)平均17.00倍低PBR: 純資産価値に対して30%超のディスカウント cf.東証1部平均1.33倍留意点: 1) 金融政策、金利動向2) グローバルなエクスポージャー3) エクストリーム・イベント(極端な事象)4) レギュラトリー(規制)・リスク: ...
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J-REITセミナー(18) J-REITは金利敏感か?

2016-12-25
J-REITパフォーマンスと金利、ファンダメンタルetc.東証REIT指数の年初来のパフォーマンスは、TOPIX(市場平均)と同等金利低下の過程で、アウトパフォーム、上昇の過程でアンダーパフォームJ-REITは金利敏感か?長期的には、必ずしも金利敏感とは言えず、好況期には景気敏感の性向を示すファンダメンタル(稼働率、賃料水準)がポイント東京オフィスビル市況は穏かな稼働率上昇、賃料上昇が継続中と推定流動性が重要: 流動性(≒時価総額)にプレミアムがつくと推定バリュー銘柄(高分配金利回り、低NAV倍率銘柄)をどう見るかJ-REIT平均分配金利回り3.64%、平均NAV倍率1.26倍国債利回りとの360bpsのスプレッド:インカム投資対象としての一面銘柄選択における留意点: ポートフォリオの入替え戦略(売りと買い)* 添付PDFグラフ参照2016.12.25注意事項本資料は経済及び証券分析による...
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エクイティ・マーケット・ニュートラルVIXポートフォリオ(JAI誌)

2016-12-18
「ダイナミックCAPMに基づくエクイティ・マーケット・ニュートラルVIXポートフォリオの構築」J.チェン、M.L.ティンダール、ダラス連邦準備銀行(“Constructing Equity Market-Neutral VIX Portfolios with Dynamic CAPM”, J.Chen, M.L.Tindall, Federal Reserve Bank of Dallas, THE JOURNAL OF ALTERNATIVE INVESTMENT, FALL 2016)ボラティリティとどう向き合うかボラティリティ(変動)とどう向き合うかが、株式投資において極めて重要であり、いかにより高い超過リターンあるいは絶対リターンを生み出すかを左右する、というのが最近特に感じることころである。リターンとボラティリティが負の相関関係にあることが観察されているが、とすればボラティリティ...
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