株式市場(10/2-12)の調整について

中湖 康太

株式変動(下落)の5類型

わたしは株式市場の変動(下落)を基本的には以下の5つに分類している。

大大   極端なイベント 金融経済危機、大不況
大    リセッション(景気後退)、ファンダメンタル悪化
中    懸念、リスクオフ、ファンダメンタル見通し悪化
小    通常の変動の範囲
大中小  バリュエーション調整 株価の行き過ぎの調整

今回の日本の株式市場の調整は、基本的には米国株式市場の調整の影響を受けたものであろうが、TOPIX(東証株価平均)は、先週10/2(火)の高値1838.3から、10/12(金)の安値1687.18へ8.2%下落した。ほぼ同様に、日経平均は先週10/2(火)の高値24448.07から、10/12(金)の安値22323.43へ8.7%下落した。

8-9%の変動というのはこのうち中程度のもので、リスクオフ、バリュエーション(株価の行き過ぎ)の調整といえるものだろう。

買いや銘柄入れ替えのチャンスを提供

ファンダメンタルへの影響が無いとすれば(これについては個々の投資家が判断するしかないのだが)、バリュー投資家にとっては、むしろ買いや銘柄入れ替えのチャンスを提供するものであったと言えるだろう。テクニカルに見るとどうなのであろうか。

地震に例えて、一本調子の上げ相場はむしろ大地震のリスクが高まっているとすれば、この程度の調整はむしろ好ましいものと言えるだろう。

より怖い一方調子の上昇(または下落)

一般に上げ相場が良いと言われるが、わたしは必ずしもそうとは言えないと思っている。むしろ、ファンダメンタルを伴わない株価の一本調子の上昇の方が怖いのである。その意味では、今回の調整は、必ずしもネガティブなものではないであろう。

以上、わたしの大まかな感触である。

2018/10/12

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