J-REIT: フロンティア 特徴・株価評価・注目点

中湖 康太
GCS_J-REIT_15_Frontier_20160913.pdf
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特徴

  • 三井不動産をスポンサーとする商業施設主体型リート 2016年8月末時点で32物件2888億円(取得価格ベース)の規模
  • エリア分散(%)は、東京5区5.7、東京23区(5区除く)18.4(計24.1%)、その他東京5.1、関東25.2、中部・近畿26.9、その他18.8(2016.8末時点)と三井アウトレットパーク、三井ショッピングパークなど郊外・地方型
  • 保守的なポートフォリオ・財務運営: 固定賃料比率が99%、2016.6期末LTVは39.1%、8月末で42%と保守的な財務運営。格付けはAA(JCR)、AA-(R&I)、A+(S&P)
  • 直近決算期(2016.6)の一口分配金は懸念だったジョイフルタウン岡山(コアテナント:イトーヨーカ堂)で4.6億円の売却損を計上も、内部留保3.2億円の取り崩しで前期比横バイの9694円。ジョイフルタウン岡山売却は、売却損は計上したが、鑑定評価額は上回っており、好調な不動産売買市場の機をとらえたものと推定される
  • 直近の外部成長: コジマxビックカメラ那覇(18.5億、NOI7.6%;2016.1独自ルート)、ららぽーと新三郷(共有持分追加50%、151億円、NOI5.0%;2016.8スポンサールート)

株価評価

  • 投資口価格: 507,000円 (2016/9/13現在)
  • 予想分配金: 9500円(前期比-2.0%)
  • 予想分配金利回り: 3.75% (会社2016.12期予想年率化)
  • NAV倍率: 1.25倍 (2016.6期末NAV 404,873円基に算出)
  • 予想分配金利回りはJ-REIT平均3.53%よりやや割安(推定)
  • NAV倍率はJ-REIT平均1.3倍よりやや割安(推定)
  • 但し、鑑定NAVより25%割高(推定)

注目点

  • 分配金水準は固定賃料シェアが99%と高いこともあり9500円レベルで安定的に推移か。逆にいうと大きな分配金成長は予想しにくいと推定される。
  • マネジメントは不動産売買市場について、①物件取得競争が激化、②市場に出る好立地の優良物件が減少、③大都市エリアのキャップレートが低下、都市部と地方との二極化が顕著、と適切な現状認識をしている。無理な外部成長は行わず、スポンサールートを中心とした好機をとらえた物件入替を志向しているのは適切
  • ただし、弱含みな消費動向、特に地方部のテナント動向は懸念
  • 現在、賃料改定協議2件とテナント異動1件がある。協議中は、 イトーヨーカ堂東大和(4.0%)、カナート洛北(2.9%); 異動はTSUTAYA BOOKS TENJIN (1.9%) ( )内は賃料シェア
  • 保守的な財務方針は、日銀ファクターの観点(AA格以上)から需給面ではプラス要因と推定される。収益性、分配金水準、利回りを高めるには財務レバレッジを適度なレベルでより効かせること(45~50%)も中長期的には課題であろう。

(2016.9.13時点)

以上

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