‘経済・投資 Money’ カテゴリ
リカード「経済学原理」を歩く-85 外国貿易-8
2019-04-01
【コメント】「交易による相互の利益というきずなに結ばれた文明世界を築くことになる」と国際分業、国際貿易の利益を説く
(訳)
外国貿易について述べたことは、国内取引についてもあてはまる。利益率は労働の配分の改善、機械の発明、道路や運河の整備、商品の製造や運搬における、労働の短縮化では決して上昇しない。これらは価格に作用する要因であり、消費者には大きな恩恵をもたらす。というのは、同じ労働で、つまり、同じ労働生産物の価値で、より多くの商品と交換できるからだ。しかし、利益にはまったく影響を与えない。一方、労働賃金の減少は、利益を上昇させる。しかし、商品の価格には影響を与えない。第一に、すべての階級に有利になるという作用がある。というのも全ての階級が消費者だからだ。第二に、生産者にのみ恩恵を与える作用だ。生産者はより多くを得ることになる。しかし、前者の場合、そのもうけが費やされるすべてのものの... → 続きを読む
リカード「経済学原理」を歩く-84 外国貿易-7
2019-03-31
【コメント】賃金の下落によって利益率は改善しないと述べる。これは、リカードの議論の前提が、完全雇用経済であり、一般物価水準が賃金とパラレルに変化することを想定していると推定される。つまり実質賃金(W/P)は変化しない。そして、賃金が支出される食料、必需品の価格が低下しない限り、利益率は改善しないと述べる。
これはリカードが、労働の限界不効用を生存可能賃金とし、それが実質賃金と等しいとしているためである(労働供給サイド)。さらに言えば、この実質賃金が労働の限界生産力に等しいということになる(労働需要サイド)。ケインズが「一般理論」で明らかにした、古典派の2つの公準である。
(訳)
本書で、一貫して述べているのは、第一に、利益率は賃金の下落によって決して上昇することはないということ、第二に、賃金が費やされる食料や必需品の下落が無くて、賃金が永続的に下落することはないということ... → 続きを読む
リカード「経済学原理」を歩く-83 外国貿易-6
2019-03-26
【コメント】比較優位説の片りんが述べられる。「労働のより良い配分により、人々の幸福が高まる」という形をとる。外国貿易の利益のもともとの発想は、労働のより良い配分、である。
(訳)
機械をつかうことで、収入を生み出す商品の価値が20%減少したとすると、収入が20%上昇したのと同じだけ節約することができる。しかし、前者においては利益率は一定であるのに対して、後者では20%上昇する。もし、安い外国商品をつかうことで、支出を20%節約できたとすると、その効果は、機械が生産コストを低下させたのと、全く同じである。しかし、利益は高まらない。
利益率が上昇するのは、市場が拡張した結果ではない。もっとも、このような拡張は、商品の質量を増加させるのと同じ効果を生むかもしれない。そして、労働者の基金や物資を増やすことになるかもしれない。それぞれの国の状況、気候、その他自然的、人工的な有利さに適合・順応... → 続きを読む
リカード「経済学原理」を歩く-82 外国貿易-5
2019-03-24
【コメント】外国貿易による資本蓄積への効果
(訳)
資本の蓄積の仕方には2通りある。収入の増加によるか、支出の減少である。もし、利益が1000ポンドから1200ポンドになり、支出が同じままだとすると、以前より毎年200ポンド蓄積することになる。もし、支出から200ポンドを節約し、利益が同じだとすると、同じ効果が得られる。毎年200ポンドが資本として蓄積することができる。もし、利益が20パーセントから40パーセントに上昇した場合には、ワインを輸入する商人は、英国商品を1000ポンド購入する代わりに、857ポンド2シリング10ペンスで購入しなければならない。または、輸入したワインを、それらの商品と交換に1200ポンドで売らなければならない。または、英国商品を1000ポンドで購入し続けたとしたら、ワインの価格を1400ポンドに引き上げなければならない。このように、資本利益率を20パーセント... → 続きを読む
リカード「経済学原理」を歩く-81 外国貿易-4
2019-03-23
【コメント】リカードは、外国貿易について価値の面からの説明を続ける。ここで注目すべきは、リカードが貨幣を媒介にして貿易ではなく、物々交換、言い換えれば純粋交換経済を想定していることである。これもリカードの抜け目なさ、論理的首尾一貫性を感じさせる点である。
(訳)
すると、資本は靴、帽子その他の生産から解放されて、外国の商品を購入するための商品の生産に使われるだろう。そして、結果的には、いずれの場合にも、価値の点においては、外国商品と国内商品を合わせて、その国の収入と資本によって制約される。もし、一方が増えれば、他方が減る。もし、同量の英国の商品と交換できるワインの量が2倍になったら、英国の人々は以前の倍のワインを消費するか、同量のワインと、より多くの英国の商品を消費することができるようになるだろう。もし、わたしの収入が1000ポンドで、毎年100ポンドでワイン1樽を購入し、英国産の商... → 続きを読む
経済短歌 – 10連休の愚 Shilly Golden Week for investors
2019-03-23
1. 十連休 祝日増やし よしとすは 投資の遅れ 世界にさらす
Ten consecuitive holidays - What a shame shown to the world Japan's backwardness in investment.
2. 長期間 平気で閉める 取引所 東京市場 アジアに負ける
Shutdown during long holidays - Defeated in competition is Tokyo as international financial and capital markets in Asia and in the world.
10連休。投資家の立場からは、まったく困ったことだ。
10日間の長期にわたり、売買ができなくなる。デイトレードでなくても、証券の最大の魅力のひとつは流動性である。
長期投資においても、経... → 続きを読む
リカード「経済学原理」を歩く-80 外国貿易-3
2019-03-22
【コメント】土地の本源的価値と労働価値説に基づいた、外国貿易論が展開される。需要が一定とすれば、外国商品の価格の方が低い場合には、本質的には、より少ない英国の土地と労働の価値と交換に外国商品を得ることができる。あまった土地と労働の価値は他の商品の購入にあてることができる。資本は需要に応じて収縮的に供給されると解してよいであろうか。リカード経済学は、本質的にサプライサイドなので、より大きな需要が存在する場合には、それを裏付ける供給力が存在するということが読みとれる。
(訳)
第一に、穀物、布、帽子、靴等の商品への需要が減少しない場合に、それらに投下される資本が減るということはない。減少する場合には、価格は上昇することはない。外国商品の購入に際しては、その交換に、同量の、またはより多くの、またはより少ない英国の土地と労働があてられることになる。同量の場合には、以前と同じ水準の布、靴、穀物... → 続きを読む
リカード「経済学原理」を歩く-79 外国貿易-2
2019-03-21
【コメント】利益率均等の法則の説明が続く・・・
(訳)
外国貿易で特定の商人が大きな利益を上げる場合がある。それは、その国の一般的な利益率を高め、他の用途から、新しく有利な用途に資本が転用されるだろう。一般的な価格は上昇し、その結果、利益を増加させるだろう。穀物の生育、布、帽子、靴その他の製造に投下される資本が減る一方、需要が同じだと、それらの商品価格は上昇し、農業者、帽子、布、靴の製造業者は、貿易商社と同じように利益を増加させることができる。異なる用途に用いられた資本は、一般的な利益率に収束する傾向を持つ。利益の均等は一般的な利益の上昇によってもたらされるのではなく、より高い利益率の取引が一般的な水準に落ち着くのである。この点で、わたしの主張は多くの論者とは異なっている。
(original text)
It has indeed been contended, tha... → 続きを読む
リカード「経済学原理」を歩く-78 外国貿易-1
2019-03-20
【コメント】いよいよ今も輝きを失わないリカードの比較優位説が説かれる「外国貿易」の章だ。リカードはまず、労働価値説から入る。つまり、外国貿易がおこなわれたからといって、その国の生み出す価値が増えるわけではない、と切り出す。しかし、外国貿易によって得ることができる商品の量とそれがもたらす効用(満足度)は、圧倒的に高まるとする。そして、利益の章で述べたように、資本の利益率が一般的水準に収束する法則を述べる。
(訳)
第6章 外国貿易
外国貿易によって直ちに1国の価値が増えるというわけではない。しかし、外国貿易は、多くの商品とそれがもたらす人々の満足を大幅に増加させるだろう。外国商品の価値は、交換されるその国の土地と労働の生産物の量によって測られる。つまり、より大きい価値を持つことになるわけではない。新しい市場の発見によって、その国の生産物に対して、2倍の外国商品を得ることができるように... → 続きを読む
リカード「経済学原理」を歩く-77 利益-16
2019-03-20
【コメント】リカードは賃金の上昇が商品の名目価格を上昇させないと議論を展開する。また、仮に商品価格が上昇したとしても、それは貨幣価値の下落をもたらすのみであって、両者に実質的な差異はないと主張する。結果的には、賃金の上昇は、利益率を減少させるのである。
(訳)
どんなに大きな国でも、土地がやせていて、食料の輸入が制限されていると、利益率は大きく下落、地代は急速に上昇し、資本の蓄積は乏しくなる。一方、小さくても土地が肥沃な国は、特に食料の自由な輸入が認められている場合には、利益率は大きく減少せず、地代もあまり上昇せず、資本の蓄積がおこる。賃金の章で、商品の名目価格は、賃金の上昇によって上昇しないことを示した。それは、貨幣の基準である金が、その国の生産物か、海外からの輸入であるかを問わない。そうでない場合、つまり、商品価格が高い賃金によって永続的に上昇するとしても、この主張の信ぴょう性が... → 続きを読む
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