‘文化・社会 Culture’ カテゴリ
英語セミナー(3) Please Mister Postman
2016-01-20
”Please Mister Postman” from "With the Beatles", the second albumnビートルズのセカンドアルバム”With the Beatles"(ウィズ・ザ・ビートルズ)から、"Money"(マネー)と共に好きな1曲、"Please Mister Postman"(プリーズ・ミスター・ポストマン)を取り上げたいと思います。”With the Beatles"のアルバム・ジャケットは4人の顔の半分が影になったモノクロで、クールなビートルズのイメージを作り上げたものと言えます。このアルバムではオリジナルが8曲、カバーが6曲となっています。私の好きな"Money"、"Please Mister Postman"は共にカバー曲であり、ジョン・レノンがリード・ヴォーカルです。当たり前ですがヴォーカリストとしてのジョン・レノンが、ポール・マッカートニ... → 続きを読む
恋の骨折り損 Love’s Labour’s Lost
2016-01-18
シェイクスピア喜劇を楽しむためにはストーリーを追わないシェイクスピアの喜劇の楽しみ方は様々でしょうが、私はストーリーを追うことはしてません。それは言葉が中世の英語で難解なこともありますが、そもそもストーリーはシェイクスピアの喜劇の本質ではないと感じるからです。要は、シェイクスピア喜劇は、現代のシットコム(Situation Comedy)に近いのではないか、というのが私の推測です。シットコムにおいては、その場その場のシチュエーションにおける可笑しさ、それは時にジョークであり、ユーモアであり、風刺であり、コミックであるわけです。ストーリーは可笑しさ、笑いの連続によって織られていきまますが、中心ではない。勿論、ストーリー自体が「笑い」の種でもあります。これは私が現在、"Frends"(「フレンズ」)など現代のシットコムにはまっているからかもしれません。つまり、笑い、可笑しみによってストーリーが... → 続きを読む
英語セミナー(2) シットコム(Sitcom)
2015-12-31
シットコム(Sitcom: Situation Comedy)アメリカやイギリスで、毎シーズン、毎年くりかえし制作、放送されるテレビドラマに通称シットコムとよばれるコメディがあります。シットコムはシチュエーション・コメディ(Situation Comedy)の略で、特にドラマティックなストーリーの展開を売りにするのではなく、何でもない日常の生活、出来事を笑いのネタにするものです。ユーモアや風刺の「笑い」を翻訳して吹き替えで伝えるのは難しいため、シットコムが日本で放映されることは少ないと思いますが、比較的最近で「フレンズ」(FRIENDS)、かつての「奥様は魔女」(Bewitched)などが有名なところで、吹き替え版のDVDも出ています。英語には、ユーモア、ジョーク、コミック、風刺(satire)の伝統があります。生活、人生には元来、楽しいこともありますが、つらいこと、悲しいこと、苦しいこと... → 続きを読む
英語セミナー(1) Please Please Me
2015-12-26
好きなアーティストの曲、アルバムから世界を持つ好きな音楽、曲から英語を学ぶ。これほど効率的な学習法はないでしょう。言わずとも、これを実践している人も多いと思います。好きな曲はくりかえし、くりかえし聴いているはずです。メロディー、そして歌詞もわからないながら自然に頭に、身体に染み込んでいるはずです。この場合、意味とか、文法とか最初は気にしないことが重要です。最初は歌詞カードも見ずにとにかく何度も聴く。そして歌詞カードを読む。ただし、ポピュラーミュージックの歌詞の英語は、学校英語や受験英語と違い、難しい単語は使われていませんが、実はやさしいとは言えません。なぜならば音楽の英語は、スラングや俗語はともかく、倒置や省略が多く使われています。習慣や文化的な背景を理解してないとピンとこないこともあるわけです。しかし、最初からすべてを理解しようとしないことが大切です。次に、歌詞カードを片手に曲をフォロー... → 続きを読む
ビートルズ・エコノミックス
2015-07-15
音楽に魅せられるのに理屈はない音楽に魅せられるのに理屈はありません。ただ、身体に電流が流れる、鳥肌が立つ、つまり「しびれる」わけです。ある音楽が流れているのを聴いて、「この曲は一体、誰が歌っているのだろうか、何と言う曲なのか、もう一度聴いてみたい、いや何度も聴いてみたい」と感じることがあります。それがビートルズとの出会いです。筆者はビートルズとは同世代ではありません。ビートルズが活動したのは1960年代です。テレビかラジオかBGMから間接的に触れたのです。音楽に素人である私は、当初、特にビートルズのレコードやCDを集中的にコレクションすることはありませんでした。私はビートルズのいくつかの曲に魅せられながらも、ビートルズとは怠惰な付き合い方をしてきました。音楽については特定のアーティストのめりこむことなく、その時々にヒットした曲を気ままに聴くという程度でした。それは洋楽、邦楽に関わりなくです... → 続きを読む
お気に召すまま(As You Like It) – 男装の麗人ロザリンド
2015-03-04
男装の麗人ロザリンド: 宝塚の原型?
シェイクスピア劇「お気に召すまま」(As You Like It)の魅力は何といっても、男装の麗人・ロザリンドの存在でしょう。容姿端麗にして、人間味があります。ロザリンドに、従妹のエイリーナが惹かれ、女羊飼いであるフィービが恋をしてしまう。男装の麗人に、女性が思いを寄せる。宝塚の世界といえるのではないでしょうか。
シェイクスピアは「ベニスの商人」でもポーシャに、友人のためにシャイロックから借金をしたアントーニオの裁判に男性法学者として登場させます。ポーシャは莫大な財産を相続した美貌の貴婦人であり、法学博士の称号を持つ才女なのです。ポーシャの求婚者である友人のためにシャイロックから借金をしたアントーニオを絶妙な論法で救うのです。しかし、ポーシャはどちらかといえば才女の側面が強いように思います。
これに対して、ロザリンドは、追放された公爵の娘であり、... → 続きを読む
アントニーとクレオパトラ Antony and Cleopatra
2015-01-31
アントニーとクレオパトラは、ジュリアス・シーザーの続編ともいえる作品です。題名からすれば、アントニーとクレオパトラの関係を中心にした歴史的大ロマン、悲劇がメインテーマです。しかし、私には、アントニーとクレオパトラとの関係より、アントニーとそのライバルであるオクタビアス・シーザーとの統治者としての資質の違いを浮き彫りにした物語であるように映ります。オクタビアスは、アントニーとクレオパトラを破り、後にローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスとなった人物です。 アントニー 対 オクタビアス武人としては優れていても、アントニーは、クレオパトラへの情愛に惹かされ、自らの強みである陸戦に持ち込むべき、との部下の忠言に耳を傾けることのできず破滅した人物です。もっとも、人間誰しもが多かれ少なかれ、このような性向を持っているのでしょう。しかし、人の言葉や忠告に耳を傾け、思慮することができなければ、自ら持って生まれ... → 続きを読む
終わりよければすべてよし All’s Well That Ends Well
2014-12-28
タイトルが決定的な魅力
シェイクスピア劇「終わりよければすべてよし」(All’s Well That Ends Well)。この作品はなんといっても、その題名が決定的な魅力をもっています。「人生いろいろあるけれど、“終わりよければよし“としよう」ということを連想させるからです。この劇の女主人公ヘレナの次の台詞が本戯曲の象徴です(訳は筆者)。
All's well that ends well; still the fine's the crown; Whate'er the course, the end is the renown. (終わりよければすべてよし、結末こそ王冠である。過程がどうであれ、終わり、結末こそ至上のものです)
問題劇
しかし、実際のストーリーはこの連想とは異なっています。いわゆる単純な、相思相愛のラブストーリーではありません。かなりひねりがあります。そのため... → 続きを読む
ビートルズの曲にみるお金”マネー”
2014-12-03
ビートルズがすごいのは、やはり、音楽、娯楽といっても、生活に欠かせないお金“マネー”を直視し、それをダイレクトに扱った曲があるということです。「ビートルズが一筋縄ではいかないことをよく物語っている。」と、ザ・ビートルズ・クラブ編集室の葉山真氏が、アルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ(“With The Beatles”)」にある「マネー(“Money (That’s What I Want)” 」という曲の解説で述べています。ここでは、3 つの曲について触れたいと思います。
アルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ」のラスト・ソング「マネー/(それが俺が欲しいもの
だ)」~ お前の愛で俺の請求書の支払いはできない
まず、第一に、先に述べた、ビートルズのセカンドアルバムである「ウィズ・ザ・ビートルズ(“With The Beatles”)」にある「マネー/(それが俺が欲しいものだ)(“Money... → 続きを読む
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