‘文化・社会 Culture’ カテゴリ
2025-10-29
君なくは なぞ身装(ヨソ)はむ 櫛笥(クシゲ)なる 黄楊(ツゲ)の小櫛(ヲグシ)も 取らむとも思(モ)はず
Without you, how can I dress up myself at all?
I am not willing to take up my small comb in boxwood after all.
播磨娘子 (ハリマノオトメ)
(現代語訳)
あなたがおられずして、どうしてわが身を装いましょう。櫛箱(クシバコ)にある黄楊(ツゲ)の小櫛(オグシ)も手にとろうとは思いません。
Harima No Otome
6-1777...
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2025-10-28
大和道(ヤマトヂ)は 雲隠(クモガク)りたり 然(シカ)れども 我(ア)が振る袖を 無礼(ナメシ)と思ふな
Far beyond the clouds is Yamato Road.
Though my waving sleeve may be out of your sight, don’t think it is rude.
右は、大宰帥大伴卿(キョウ)の大納言を兼任して、京に向ひて上道す。この日馬を水城に駐めて、府家を顧み望む。時に、卿を送る府吏の中に、遊行女婦あり。その字を児島と曰ふ。ここに娘子、この別るることの易きを傷み、その会ふことの難きを嘆き、涕を拭ひて、みづから袖を振る歌を吟へり。
児島 (コシマ) 遊行女婦 (ウカレメ)
(現代語訳) 大和道(ヤマトヂ)は、雲の彼方です。雲隠れて目にふれずとも、どうか私が振る袖を無礼とお思いにならないでください。...
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2025-10-27
枕太刀(マクラタシ) 腰に取り佩(ハ)き まかなしき 背(セ)ろがめき来(コ)む 月(ツク)の知らなく
When at all will he come back, my dear husband,
Wearing at his waist his pillow sword?
大伴部真足女 (オホトモベノマタリメ)
(現代語訳)
枕太刀(護身のために、枕もとに置いておく刀)を腰に帯びて、いとしい夫が帰ってくる月は、いつと知れない。
Otomobe No Matarime
(20-4413)...
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2025-10-27
草枕 旅の丸寝(マルネ)の 紐絶えば 我(ア)が手と付けろ これの針持(ハルモ)し
If the string breaks sleeping in your clothes, traveling,
Please take this needle in your hand, as if my own, and repair it, my darling.
右の一首は、妻(メ)、椋椅部弟女 (クラハシベノオトメ)
(現代語訳)
(草枕; 旅寝、旅の仮寝; 旅の枕詞) 旅の丸寝(衣服を着たまま寝ること)の紐が切れたら、私の手と思って着けてください。この針を持って。
The poem in the right, by my wife, Kurahasibe No Otome
(20-4420)
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2025-10-26
赤駒(アカゴマ)を 山野(ヤマノ)にはがし 捕(ト)りかにて 多摩(タマ)の横山(ヨコヤマ) 徒歩(カシ)ゆか遣(ヤ)らむ
Unable to recapture the grazing red horse to ride, I wonder,
My husband might be forced to walk across the Tama Hills, farther.
宇遅部黒女 (ウヂベノクロメ)
あかごまをやまのにはがしとりかにてたまのよこやまかしゆかやらむ
(現代語訳)
赤駒を山野の中に放牧して捕えかね、(夫に)多摩の横山を歩かせてしまうのだろうか。
Ujibe No Kurome
(Vol.20 – 4417)
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2025-10-25
防人(サキモリ)に 行くは誰(タ)が背(セ)と 問ふ人を 見るがともしさ 物思(モノモヒ)もせず
I am envious of the person who asks ‘Whose husband is he?’, unconcerned,
Looking at the soldier to the north border dispatched.
作者未詳
(現代語訳)
防人(古代、北九州の辺境防衛にあたった兵士)に行くのは誰の夫かと、ことばをかけている人を、見るとうらやましい、何の物思いもなく。
Author Unknown
(Vol.20 – 4425)...
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2025-10-24
昨日今日(キノフケフ) 君に逢はずて するすべの たどきを知らに 音(ネ)のみしそ泣く
Yesterday today, unable to meet you, alone remaining,
I have no idea what to do and is just in tears drowning.
狭野弟上娘子 (サノノオトガミオトメ)
(現代語訳)
昨日も今日も、あなたにお逢いせず、どうしてよいか、何もてだてがわからずに、涙にくれております。
Sanono Otogami Otome
(Vol.15 – 3777)
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2025-10-23
春の日の うら悲しきに 後(オク)れ居(イ)て 君に恋ひつつ 現(ウツ)しけめやも
On a spring day, I remain at home sorrowfully,
How can I stay sane, longing for you painfully?
狭野弟上娘子 (サノノオトガミオトメ)
(現代語訳) 春の日の、もの悲しい時に、家に残っていて、あなたを恋い慕いながら、正気でいられましょうか。
Sanono Otogami Otome
(Vol.15 – 3752)...
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2025-10-23
天地(アマツチ)の 底(ソコ)ひの裏に 我(ア)がごとく 君に恋ふらむ 人はさねあらじ
The heaven and earth, in every corner,
No one loves you than I any stronger.
狭野弟上娘子 (サノノオトガミオトメ)
(現代語訳)
天地の隅々にも、わたしほどにあなたを恋している人は、けっしてないでしょう。
Sanono Otogami Otome
(Vol.15 – 3750)
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2025-10-22
他国(ヒトクニ)は 住み悪(ア)しとそいふ 速(スムヤ)けく はや帰りませ 恋ひ死なぬとに
People say it’s difficult to live in aother country.
Please come back soon before I die, as I long for you desperately.
狭野弟上娘子(サノノオトガミオトメ)
(現代語訳)
他国は住みづらいとこそいいます。すみやかに、早く帰ってきてください。あなたが恋しくて私が死んでしまわないうちに。
People say it’s difficult to live in aother country.
Please come back soon before I die, longing for you terribly.
Sanono Otogami Otome...
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