リカード「経済学原理」を歩く-142 土地税(Land Tax)-8 テナントの前払

中湖 康太

【コメント】税についてのリカードの叙述は退屈であるが、リカードは自らの経済学を分配論としてとらえており、税の負担の問題は重要なテーマである。ここで、経済学特有の視点が提供されている。つまり、税を納めることと、実施的な負担は、必ずしも一致していないということである。地主は、表面的には土地税を支払うが、実質的な負担者ではない。

(訳)
アダム・スミスは言う。「土地税は、英国のそれと同じように、ある不変の規律によって、それぞれの地域で評価されている。しかし、最初に制定されたときは、同等だったとしても、時の経過とともに、州内の異なる地域における耕作についての改善や怠慢の度合いの違いによって、必然的に同等ではなくなる。イングランドにおいては、ウィリアム4世とメアリーによって、異なる州や教区の土地税が決められたが、当初においても、評価は同等ではなかった。したがって、土地税は、4つの格言の第一に反するものだった。他の3つには完全に適合しており、確実である。税は地代と同じ時期に支払われることから、納税者には都合がよかった。しかし、いかなる場合でも、地主は、実質的な納税者であるにしても、税は一般的にテナントによって前払いされており、地主は、テナントに、地代の形での支払いを認めざるを得ない状況にある。」

(original text)
“A land-tax,” says Adam Smith, “which like that of Great Britain, is assessed upon each district according to a certain invariable canon, though it should be equal at the time of its first establishment, necessarily becomes unequal in process of time, according to the unequal degrees of improvement or neglect in the cultivation of the different parts of the country. In England the valuation according to which the different counties and parishes were assessed to the land-tax by the 4th. William and Mary, was very unequal, even at its first establishment. This tax, therefore, so far offends against the first of the four maxims above mentioned. It is perfectly agreeable to the other three. It is perfectly certain. The time of payment for the tax being the same as that for the rent, is as convenient as it can be to the contributor. Though the landlord is in all cases the real contributor, the tax is commonly advanced by the tenant, to whom the landlord is obliged to allow it in the payment of the rent.”

Kota Nakako
7/25/19

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