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英語で味わう古今和歌集 仮名序-10 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-10 Ki no Tsurayuki
2024-11-08
英語で味わう古今和歌集 仮名序-10 紀貫之
Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-10 Ki no Tsurayuki
古よりかく伝はるうちにも、ならの御時(オホントキ)よりぞひろまりにける。かの御代(オホンヨ)や歌の心をしろしめしたりけむ。かの時に、正三位(オホキミツノクライ)柿本人麿なむ歌の聖(ヒジリ)なりける。これは、君も人も身を合はせたりといふなるべし。秋の夕(ユフベ)、龍田川に流るる紅葉(モミヂ)をば帝の御目(オホンメ)に錦(ニシキ)と見たまひ、春の朝(アシタ)、吉野の山の桜は人麿が心には雲かとのみなむ覚えける。また、山部赤人(ヤマベノアカヒト)といふ人ありけり。歌にあやしく妙(タヘ)なりけり。人麿は赤人が上(カミ)に立たむことかたく、赤人は人麿が下に立たむことかたくなむありける。
Thus, poet... → 続きを読む
英語で味わう古今和歌集 仮名序-8 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-8 Ki no Tsurayuki
2024-11-07
英語で味わう古今和歌集 仮名序-8 紀貫之
Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-8 Ki no Tsurayuki
あるは花をそふとてたよりなき所にまどひ、あるは月を思ふとてしるべなき闇(ヤミ)にたどれる心々を見たまひて、賢(サカ)し愚(オロ)かなりとしろしめしけむ。しかあるのみにあらず、さざれ石にたとへ、筑波山(ツクバヤマ)にかけて君を願ひ、よろこび身に過ぎ、たのしび心に余り、富士の煙(ケブリ)によそへて人を恋ひ、松虫の音(ネ)に友をしのび、高砂(タカサゴ)・住江(スミノエ)の松も相生(アイオヒ)のやうに覚え、男山(ヲトコヤマ)の昔を思ひ出でて、女郎花(オミナヘシ)のひとときをくねるにも、歌をいひてぞ慰めける。
At one time, poets were vacantly wondering seeing f... → 続きを読む
英語で味わう古今和歌集 仮名序-6 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-6 Ki no Tsurayuki
2024-11-05
英語で味わう古今和歌集 仮名序-6 紀貫之
Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-6 Ki no Tsurayuki
今の世の中、色につき、人の心、花になりにけるより、あたなる歌、はかなき言(コト)のみいでくれば、色好みの家に埋(ウモ)れ木の、人知れぬこととなりて、まめなる所には、花薄(ハナススキ)ほに出(イダ)すべきことにもあらずなりにたり。
The world today tends to be gaudy and people’s hearts become flashy. Many poems composed are so redundant and futile that they remain largely unknown and are not made public buried under the... → 続きを読む
英語で味わう古今和歌集 仮名序-4 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-4 Ki no Tsurayuki
2024-11-02
英語で味わう古今和歌集 仮名序-4 紀貫之
Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-4 Ki no Tsurayuki
安積山(アサカヤマ)の言葉は、采女(ウネメ)の戯(タハブ)れよりよみて、この二歌(フタウタ)は、歌の父母(チチハハ)のようにてぞ手習ふ人の初めにもしける。
そもそも、歌のさま、六つなり。唐の詩にもかくぞあるべき。その六種(ムクサ)の一つには、そへ歌。大鷦鷯(オホササギ)の帝をそへ奉れる歌。
難波津に咲くや木(コ)の花冬こもり今は春べと咲くや木の花
といへるなるべし。
二つには、かぞへ歌。
咲く花に 思ひつく身の あぢきなさ 身にいたつきの いるも知らずて
といへるべし。
三つには、なずらへ歌。
君に今朝(ケサ) 朝(アシタ)の霜の おきていなば 恋しきごと... → 続きを読む
英語で味わう古今和歌集 仮名序-2 紀貫之 Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-2 Ki no Tsurayuki
2024-10-28
英語で味わう古今和歌集 仮名序-2 紀貫之
Enjoying Kokin Waka Shu in English: Preface-2 Ki no Tsurayuki
この歌、天地のひらけ初まりける時よりいできにけり。
しかあれども、世に伝わることは、久方(ヒサカタ)の天(アメ)にしては下照姫(シタテルヒメ)に始まり、あらかねの地(ツチ)にしては、素戔嗚尊(スサノヲノミコト)よりぞ起(オコ)りける。ちはやぶる神代(カミヨ)には、歌の文字も定まらず、素直(スナホ)にして、言(コト)の心わきがたかりけらし。人の世となりて、素戔嗚尊よりぞ三十文字(ミソモジ)わまり一文字(ヒトモジ)はよみける。
紀 貫之
Japanese poetry has been passed down since the creation of the heaven and the e... → 続きを読む
英語で味わう古今和歌集 1002 紀貫之 98 Enjoying Kokin Waka Shu in English-1002 Ki no Tsurayuki-98
2024-10-19
英語で味わう古今和歌集 1002 紀貫之 98
Enjoying Kokin Waka Shu in English-1002 Ki no Tsurayuki-98
< 古歌(フルウタ)奉(タテマツ)りし時の目録のその長歌(ナガウタ) >
ちはやぶる
神の御代(ミヨ)より 呉竹(クレタケ)の
よよにも絶えず 雨彦(アマビコ)の
音羽(オトハ)の山の 春霞(ハルガスミ)
思ひ乱れて 五月雨(サミダレ)の
空もとどろに さ夜ふけて
山郭公(ヤマホトトギス) 鳴くごとに
誰も寝覚めて 唐錦(カラニシキ)
龍田の山の もみぢ葉を
見てのみしのぶ 神無月
時雨(シグレ)しぐれて 冬の夜(ヨ)の
庭もはだれに 降る雪の
なほ消えかへり 年ごとに
時につけつつ あはれてふ
ことを言ひつつ 君をのみ
千代(チヨ... → 続きを読む
英語で味わう古今和歌集 1111 紀貫之 102 Enjoying Kokin Waka Shu in English-1111 Ki no Tsurayuki-102
2024-10-17
英語で味わう古今和歌集 1111 紀貫之 102
Enjoying Kokin Waka Shu in English-1111 Ki no Tsurayuki-102
道知らば 摘(ツ)みにもゆかむ 住江(スミノエ)の 岸に生(オ)ふてふ 恋忘れ草
紀 貫之
Only if I know the way,
I would rather go to pick up orange daylily,
Called Koi-Wasure-Gusa, namely,
To forget the pain of love, effectively,
Growing at the Suminoe shore, away.
Ki no Tsurayuki
(鑑賞)
道がさえ分かれば、摘みにだって行こうと思う、住江の岸に生えている... → 続きを読む
英語で味わう古今和歌集 1101 紀貫之 100 Enjoying Kokin Waka Shu in English-1101 Ki no Tsurayuki-100
2024-10-15
英語で味わう古今和歌集 1101 紀貫之 100
Enjoying Kokin Waka Shu in English-1101 Ki no Tsurayuki-100
墨滅歌(ボクメツカ) Wakas Erazed with Ink
< ひぐらし >
杣人(ソマビト)は 宮木ひくらし あしひきの 山の山彦(ヤマビコ) 呼びとよむなり
紀 貫之
< Higurashi >
Woodcutters,
Must be sawing,
For temple builders,
As their shouts are echoeing,
In the mountain, all day long, ampliflying.
Ki no Tsurayuki
(鑑賞)
< ひぐらし >
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英語で味わう古今和歌集 980 紀貫之 97 Enjoying Kokin Waka Shu in English-980 Ki no Tsurayuki-97
2024-10-14
英語で味わう古今和歌集 980 紀貫之 97
Enjoying Kokin Waka Shu in English-980 Ki no Tsurayuki-97
< 越(コシ)なりける人に遣はしける >
思ひやる 越の白山 しらねども 一夜も夢に 越えぬ夜(ヨ)ぞなき
紀 貫之
< Sent to a person who was in Koshi. >
I have not spent a night ever,
Without having a dream to cross over,
Mt. Shiroyama of Koshi, namely to go over; -
The mountain I always aspire to pass over,
But have not actually... → 続きを読む
英語で味わう古今和歌集 931 紀貫之 96 Enjoying Kokin Waka Shu in English-931 Ki no Tsurayuki-96
2024-10-13
英語で味わう古今和歌集 931 紀貫之 96
Enjoying Kokin Waka Shu in English-931 Ki no Tsurayuki-96
< 屏風の絵なる花をよめる >
咲きそめし 時よりのちは うちはへて 世は春なれや 色の常なる
紀 貫之
< A flower painting on the folding screen. >
From the start of blooming,
In my eyes presented,
Is the world for a long time in spring,
As the color of flowers, blossomed,
Looks unchanged.
Ki no Tsurayuki
(鑑賞)
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